※注)この記事では本物のモグラが動いているシーンがあります。ねずみっぽい小動物の動きが苦手な方はご注意ください。
モグラのぬいぐるみは持っていたほうがいい
お気に入りのモグラのぬいぐるみがある。
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名前はケネディ。
なんとなく知的な感じがあって、たまに苦言とか言いそうだから。
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単一電池程度の大きさで手のひらサイズの彼は非常に収まりがよく、愛着が湧く存在だ。
どこにだって持って行きたいし、いつだってそばにおいておきたい。癒されるから。
そんな気持ちでたまたま胸ポケットにケネディ(モグラ)を入れてみたら、ひょっこり具合が可愛すぎて嬉しくなった。
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モグラが穴の中から顔出している画はアニメやゲームでよく見るが、その愛らしさが胸元で簡単に再現できるのが嬉しいし助かる。
そしてそのささいな愛らしさに感動できる感受性があることが我ながら誇らしい。
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なによりこんなに身近にぬいぐるみがすっぽり収まっていると、俺たちって相棒だったんだ!という意識が芽生える。
せっかくなので、このまま少し一緒に過ごして、ケネディに世界を見せてあげようと思う。
胸ポケットにモグラを飼っている人は怖い
まずは基本の家での過ごし方から。
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割と細かい数字を見る必要がある仕事をしているのだが、モグラが傍らにいると一緒にチェックしてくれる気分になり心強い。
モグラって労働してるイラストの印象が強いからか、距離感としては先輩や上司のようだ。
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こんなにも持ち歩きがしやすいのだ、外に出ないともったいない。散歩しにいこう。
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目線が同じ相方を備えていると、自然と会話をしたくなる。
「いい天気だね〜」とか「モスバーガーって人柄いい人しか働いてないよね」なんて言いたくなるが、ポケットにいるのはモグラのぬいぐるみなので、話しかけはしない。
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胸ポケットに入れている場合は、視線を下にさげると、胸ポケットのモグラと目線が合って豊かな気持ちになるので試してみてください。
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しかしまあ、周囲の視線は気になる。
どう考えても胸ポケットにもぐらを入れている人は見慣れる存在じゃないし、公園で本を読んでいたら異常性すら感じる。
もしこんな人が同じ電車に乗ってきたら、じっとみてから困惑してしまうだろう。
なぜなら目的が見えないから。
せめてこの記事を読んだ人はもぐらを胸ポケットにいれている人がいたら、温かい目で見守ってほしい。
その人は至福を楽しんでいるのだ。
本物のモグラに会いにいく
モグラへの愛着が増えるほど、気になることがでてくる。
「自分は本当にもぐらが好きなのか?」
そりゃ、ここまでモグラと親密な関係を築いている以上、モグラのことが好きなはずだ。
しかし僕の目の前にいるのは、あきらかにデフォルメされた可愛いモグラでしかない。
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そしてなにより、記憶にあるモグラはイラストやアニメーションのモグラばかりで、僕は“動物のモグラ”をちゃんとこの目で見た記憶がないのだ。
本当のモグラってどんなのなんだっけ、その疑問を解消するために立川からモノレールで15分程度の多摩動物公園にやってきた。
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この多摩動物公園は園内をシャトルバスが走っているほど広大な敷地を誇る動物園で、周囲の自然も相まってより開放的な印象を受ける。
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どうしていくつもある動物園の中から、この多摩動物公園を選んだのかというと、ここには「モグラのいえ」があるのだ。
例えではない、本当に家が建っている。
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丸太で囲われたログハウス風のモグラの家にいえの入り口には、やたら辛辣なモグラが死について語っていた。
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モグラでサングラスをかけているイラスト、全部ヤンキー口調説。
中に入ると、やや薄暗い室内は暖房で温められており、頭がぼーっとなる。
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子どもも見やすい様に、展示台が膝上くらいの場所に設置されていて、パンパンに詰まった土とアリの巣のように溝の様なもの掘られているものがアクリルケースに収まっている。
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見渡すと展示中止になっているケースもあるが、部屋の端のケースを見ていたら、なにやらモゾモゾと土の中をうごめいているものがある。
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モグラだ!!モグラが土を掘っている!!!
そう、このモグラのいえ、数匹のモグラが土の中やトンネルを掘っている様子をアクリルケースの上から覗くことができるのだ。
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茶色の大きな毛だまが土の中をモゾモゾとしている様にしか見えないので、あまり詳細はわからないが、手元にあるモグラのぬいぐるみよりもあきらかに大きい。全長が倍以上ある。
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そんなことを思いながら、動く茶色の塊をぼんやり眺めていると、周囲の子どもが天井を見上げて何やら騒いでる。
自分も習って顔を上げると……
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え!!!モグラが天井を歩いている!?
このモグラのいえには、部屋中に網目のプラスティックパイプが張り巡らされており、トンネル代わりにモグラが進むことができるようになっていた。
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地中から登って、天井を進み、別の部屋に入る。
その様子をモグラのいえにいる全員が固唾を飲んで見守っていた。
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この緊張感あれだ、シルクドソレイユを観ている感覚だ。
モグラのいえ、少々肝は冷やすが、想像以上にモグラの生活を体験することができてかなり楽しかった。
そんなモグラのいえを後にして、多摩動物公園をウロウロとしたら、たまたまモグラに関する特別展示がやっていた。
今年は辰年ということで、同じ竜の漢字が当てられるモグラの特別展が開催されているらしい。
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まさか多摩動物公園も、胸ポケットにモグラを飼うという変な愛し方をしている人が来園するとは予想外だろうが、渡りに船とはまさにそのこと、中を覗き込んだ。
展示を見ていると、先ほど見たモグラのいえよりもより学術的にモグラの解説をしている内容のようだ。
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売店では特別メニューのモグラのココア(語感が良い)も販売されていた。
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茶色のココアを土に見たてて、顔を覗かせているモグラをイメージしている。これがまーーー可愛い!!
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やっぱりこんなに胸をかきむしられるほどの情愛を感じるのだから、自分はモグラが好きなのだという確かな実感を多摩動物公園から持ち帰った。
芋でも代用できる
ここまでモグラへの愛を滔々と語っていると、みなさんも今すぐモグラを胸ポケットに入れたくなったのではないでしょうか。
そんなアナタに朗報です。
今日話をしていたモグラの要素は、さつまいもでも代用が可能だ。
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むしろ、多摩動物公園で見たモグラのサイズ感により近い。リアルなモグラのほうだ。
ちなみに僕はさつまいももとても好きなので、大量に買ってある。
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我が家はモグラを愛でる準備が整いすぎている。
さらにモグラっぽさを味わうなら、このさつまいもを胸ポケットに入れてみてほしい。
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……まるでビニール代をケチってさつまいもをポケットにいれて持って帰っている人になってしまったが、着用感た上からの見た目はモグラと一緒にいたときと同じである。
ついでに外に出て、さっきモグラと過ごしたルートをさつまいもでも試してみよう。
本を読むことも、
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散歩することも、
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実感としてはモグラと同じだ。
まあ、こちらも当然周囲の目は気になるが、モグラよりもさつまいものほうが、見慣れている分そこまで違和感はない……はずだ。
人に見られている気は、する。
モグラもさつまいもも、可愛い
自身を支える存在が身近にいると、人は安心を覚えるものだ。
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モグラのよさは、ひょっこりと出てきて、用がなくなるとまたいつでもいなくなるという、ほどよい距離感と安心だと思う。
相方として信頼できる。ぬいぐるみだとしても。
モグラでもサツマイモでもなんでもいい、自分にとって愛らしいもの1番近い場所に持っておくだけで、日常がドラマティックになってくるので、ぜひ試してみてほしい。