奈良なら何とかしてくれる

社会人にとって有給休暇は血と涙と残業時間の結晶である。

365日という長い1年の中でわずかしか付与されない有給を、うちの会社はどこかのタイミングで数日分まとめてとってリフレッシュ休暇とせよ、とおっしゃる。 

そっちがそういうなら、こっちもめちゃくちゃやったるわい!

と、このまま正月突入を目標に1.5ヶ月連続休暇を取ろうとしたら、さすがに咎められた。
というか冗談だと思って受け取ってもらえなかった。

冗談じゃない!!俺は労働のアンチなんだ!!

そんな悲しい言葉もリモートワークでは自室にしか響かず、会社(敵)はリフレッシュ用にたった5日だけの有給を手渡し、俺はそれを大事に抱えて金曜日を終えた。

 

そして有給休暇初日、俺は奈良にいた。

奈良なら今のどん詰まった日々をなんとかしてくれると思ったのだ。神頼みである。

 

ここからは奈良で起きたことを淡々と紹介していこう。

 

まず最初に向かったのは大神神社(おおみわじんじゃと読む)。

日本最古の神社の1つ、らしい。
なんか矛盾しているような表現だが、奈良は日本で初めに都が生まれた土地でもあるので、至る所に「日本最古の」という表現がある。

いちいち目くじらを立てる意味もないので、素直にありがたく思おう。

 

ちなみにここに到着するまで結構な雨が降っていたのだが、参拝をした途端に晴れ間が覗いてご神託がみたいになった。すごい。

 

三輪はそうめんが有名らしい。

極寒である必要はあるのだろうか。

 

ピーポくんの友達みたいなやつがいた。

「家で〜す」はちょっとチャラく見える。見た目は可愛い。

 

大神神社から離れる際にJR万葉まほろば線なるものに乗ったのだが、ホームの降車マークのところがシカだった。

なぜか黄色い線の内側にいるやつもいた。

ワンマンの案内にもシカがいる。シカに乗れるわけではない。

 

大神もそうだが、奈良の地名は一癖ある。
次の目的地が「畝傍」になっていて、曖昧に読んでいたら、

うねびだった。わかるか。
奈良旅行はずっと目的地の読み方がわからなかったのだが、目的地の名前が曖昧というのは旅行者にとって結構な不安を与える。

 

畝傍から別の路線に乗り換えてトンカツを食べた。

1500円でめちゃくちゃ贅沢なカツだったのだが、固さのほうが気になったのと、写真よりもたまごがボソボソで結構ショックを受けた。
このために30分くらい移動しているからさ……。

 

その後、橿原神宮(かしはらじんぐう)にきた。

「ようこそ、日本のはじまりへ」というパワーワード。

橿原神宮には初代の天皇である神武天皇を祀っているらしい。
さすがに初代なだけあって、広く立派なお社だった。
つい平安神宮や明治神宮と比べてしまいそうになってしまう。よくない。

 

令和四年が「Z年」に見える。縁起悪いからだろうか。

 

帰りの電話のホームに植え込みがあった。都内では見れない景色。

 

流れで石上神宮にもお邪魔した。
(いそのかみと読むらしい、読めるか)

ここも日本最古と呼ばれる神社である。ありがたい。

鶏を放し飼いをしているようで、一羽だけ元気に鳴いていた。

夕方の16時頃に聞く「コケコッコー」がシュール。

 

その後は近くの(と言っても電車とバスで40分くらいかかる)スーパー銭湯で祭り。
ラッキーなことに、月曜はハイハイデーとか何とかで酎ハイとおでん2品で500円だった。
さっそくご利益が出てありがたい。2杯飲んだ。

おでんの好きな具はなに?と聞かれたら恥ずかしげもなく「ウインナー」ということにしている。
粋な飲み方、みたいなことは考えない。好きなことは好きっていえってAqua Timezも言っていた。

 

ほろ酔いで入ったゲームセンターにわたがしメーカーが置いてあった。

なんと無料でプレゼントしてくれるとのことで、モニターからフレーバーを必死に選んだのだが、時間が遅かったからか水不足とかで作ってくれなかった。

そのガッカリしている様子を地元の中学生に見られており、鼓動が跳ねて余計に酔いが回った。

  

ここからが2日目。

 

7時に起きて、興福寺に向かう。
観光客が全くいなくて気持ちがよかったが、社務所も含めどこも開いてなく、遠くから見ることしかできない。

ワンフロアが工事中の五重塔。

ここまで大げさに囲いがあると現代の建物だな〜という感じがしてしまう。
いっそのこと令和の最新技術でカラクリ屋敷みたいにしてほしい。

 

春日大社も朝なら人が空いてて最高だった。

9時を過ぎるとバスツアーと修学旅行生と海外観光客が一気にきて終わる。

 

チョコジローに興味を寄せるシカ。

突然風情がない「セントラル」が出てきて困惑した。

顔を擦り付けるシカ。

逆側も擦る。

 

今回の旅行も程々にツイていなかった(不注意なだけ)ので、行きたかったうどん屋は普通にやっていなかった。

むしゃくしゃしてサイゼリヤに行く。

 

日本最古の都には、饅頭の祖神もある。字面がかわいい。

 

道端で出会った歯医者の出窓から。
この強調がどこにかかっているのか、どういう意味なのか全くわからなくてしばらく考え込んでしまった。

歯科にシカがいる、というのは分かる。
でも「ギョーさん」はそのまま沢山ある、という意味ではないだろうか?
帰ってきてから数人に聞いてみたが謎のままだった。

 

激しく轢かれる少年。

膝でボール蹴ってるにようにも見える。

 

完全にその国の人にだけメッセージを送っている店。

店内は結構繁盛している様子だった。

 

奈良駅にあった奈良の観光案内ポスター、結構いくとこまでいっている。

 

帰りの新幹線が京都発だったので、少し京都も観光。

安定の下鴨神社。半年に1回のペースで来ている気がする。

 

そして今回も進々堂は定休日だった。

7戦5勝2敗って感じ。

 

やけになって天一でめちゃくちゃ食った。

会計の段になって、現金しか使えないことに気づき、そして自分が300円しか現金を持っていないことに気づいた。

店員さんに超謝罪(謝罪を超えた謝罪)をして最寄りのファミマに駆け込んだ。
貯め込んだご利益が底を尽きた気配があった。

 

 

ご覧のとおり、とにかく神社を回る1泊2日だった。
ご利益どうこうよりも、なるべく普段の日常とは違う風景をみて現実逃避をしたかったのだろう。

色々見たけど、1番良かったのは春日大社かな〜。
結局世界遺産のところが1番という身も蓋もない結果になってしまったが。
行くなら絶対に早朝がいい。シカもかわいい。

今回はさほど持ち帰るものが少なかった旅行ではあったが、とりあえず休めたという実感はあるのでリフレッシュを目的とした会社の狙いは概ね充してしまったのが悔しい。

 

最後にすごくありがたそうな写真を1枚。ご利益のお裾分け。

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