僕たちは自由だからファミチキをチョコまみれにしたっていい

毎日暇なので数時間おきにコンビニに行くのですが、お金がないのでいつも見るだけの生活を送っています。そんなコンビニマニアの僕が最近よく見ているお菓子がこれ、

カントリーマアム チョコまみれです。
2019年にセブンイレブンで限定発売され、一度販売終了となったものの、好評の声に応えて去年復活。今はコンビニだけではなくスーパーでもよく見る定番商品となりました。
商品ラインナップも続々追加され、ラムレーズンが入っているものや東京駅ではひと回り大きいプレミアム版のチョコまみれも売っています。

断面がしゃべってて怖い

通常のバニラ味のカントリーマアムが文字通り全面チョコまみれになっており、しっとりほのかな甘さのクッキーだったカントリーマアムがジャンク菓子と言ってもいいほど甘いお菓子になります。
しかしその甘さがカントリーマアムに物足りなかった満足感を補填してくれています。

でもどうでしょう、これは伝説級に美味しさが保証されているカントリーマアムにご褒美の権化であるチョコをただただぶっかけたもの。
美味しいものに美味しいものをかけたらそりゃ美味いだろう。美味いし甘い。甘いから美味い。
甘いということはカロリーも計り知れないがカロリーは美味しさの単位なので結局美味しさの乗算でしかないのだ。

人気が出るのも頷ける、しかし、子どもでも分かるその方程式に消費者はただ躍らされているのではないのか。我々は不二家の商品開発の怠慢さに、抗っていくべきではないのか。

僕たちは自由だ。合うとか合わないとか、そんなことはもはや関係ない。
どんなものにだって、チョコをかけたらそりゃ美味い、僕は今日それを証明したいと思います。

それではチャレンジャーを紹介しよう。

エントリーナンバー1.オールドファッション


ガチガチに本命馬、どう考えても美味しいはず。
なぜならチョコファッションという実績があるから。

しかしチョコファッションと違うのは、今回行うのが「チョコまみれ」であるということ。
チョコファッションってあれ、オールドファッションの“ちょい”チョコまみれですからね。
所詮本気”チョコまみれには勝てないわけです。やっていきましょう。

まずはチョコを溶かします。

普段お菓子作りとか全くしないので勘で作り始めてしまったため、たぶん量を間違えました。多すぎる。

もうこれが1番うまいだろ

これ全部食べるのか……。しかしもう止まることはできない!

では、待ちに待った「チョコまみれ」の時間です。投入〜〜〜〜!

ミスタードーナツさんの真心を台無しにしている、そんなものすごく悪いことをしている気持ちになります。

しかしもう止まることはできません。さて、持ち上げてみましょう。


おっもっっっっっっっっ!

チョコの重さでオールドファッションが崩れそう。ミスドさん助けてください!!いつもどうしているの!

冷蔵庫で数時間放置して、結果こうなりました。


バグったオールドファッション、いえ、ここはあえてオールチョコファッションと呼びましょう。
画像でも伝わるでしょうか、かなり重いです。京極夏彦の文庫本くらいあります。
まみれる前のオールドファッションは66g、まみれたあとはなんと126g。
全体の約50%がチョコレートです。甘ければ美味い、ということであればこれはかなり期待が持てます。
食べてみましょう。


まあ一口目は正直チョコファッションで予習済みです。美味いけど。

一気に貪りつきます。硬えな……。

しつこいな〜〜〜チョコが。もうこの時点で企画倒れの香りがしてきました。
そしてチョコが手にべっとりつくのも不快です。

先ほどまで楽しく溶かしていたチョコに自分がまみれるとこんな気持ちになるなんて、自身の薄情さに引いてしまいます。

一応点数でもつけておこうかな。オールチョコファッションは…64点!!

味そのものは悪くないですが、元々かなり甘いドーナツに大量のチョコはしつこすぎました。チョコファッションはなるべくしてああいう形式を取っていることがよく分かります。
正直もう今日は何も食べたくありません……。しかし大量にチョコが余っているので続けざるを得ない……。

エントリーナンバー2.蒲焼きさん太郎

2人目の選手はこいつだ!

薄いイカのすり身に甘辛いタレがべったりついている蒲焼きさん太郎を、さらにチョコまみれにする。禁断の調理が始まります。

果たして重さ3gの蒲焼きさん太郎がどうなってしまうのか……
チョコをつけて〜〜〜

冷やしてっ、固めるっ!!

海苔みたいになってしまいましたが、蒲焼きさん太郎です(3g→15gになりました)。
作りながら「これ、蒲焼きさん太郎がオレンジピールとかだったら美味しいのにな〜」と思ってしまいました。おそらくそういうお菓子はすでにあるので考えるのをやめます。
さあ、気を取り直して、食べてみましょう!

さっきのオールチョコファッションと比較するとかなり食べやすいです。


あ〜〜チョコ合わないな〜〜〜そして単純に美味しくない……。
初めにチョコが溶けて、その後ゆっくり蒲焼きさん太郎の味が口に広がるのですが、チョコレートの甘さに砂糖醤油的な甘さが絶妙にマッチしておらず気持ちが悪いです。
チョコレートが溶けて蒲焼きさん太郎を味わうフェーズになると、口腔内の舌以外は甘く、舌だけ別のあまじょっぱさ、という異空間が完成します。
本体が小さく薄いことだけが救いでした。一気にお茶で流し込みます。
蒲焼きさん太郎は……38点!無念!!

エントリーナンバー3.ファミチキ

さあついにラスボスです。そのまま食べれば絶対美味しいランキング1位ファミチキ。

アレンジは全く不必要、普遍の美味しさを持っているファミチキをチョコまみれにしたら、どういう発見があるのでしょうか。

他の出場者は冷やしてから食べていましたが、ファミチキは温かいまま食べることで真価を発揮するので、ディップ形式でチョコまみれにしていきましょう。

こうやってチョコの海に……

くぐらす!!

食べ方を間違えすぎて脳がぐらぐらきています。もしくは糖にやられたのかも。
食べてみましょう。一体そのお味は……。

案外美味しいかもしれない……!

ファミチキの衣にスパイスはさほど効いていないので、チョコレートの邪魔になっていないし、チョコ自体に油分があるのでファミチキの油っぽさと絡み合って違和感がありません。
あまじょっぱいわけでもなく、ただただチョコレートがたくさんついた肉。

普通にチョコ味の肉がアリな気がしてきました。え、味覚と感性ぶっ壊れた??
ただいつ食べるのかは不明です。こんなもの、食べたい気分とかないですし。
チョコソースとナゲットとかならもっと手軽に楽しめるので良いかもしれません。
いや、しかしボリュームがすごいな!?
前半はそのマジックの感動で食べ進められますが、後半意味のわからなさに泣けてきます。

美味しいもの同士を一緒に食べているのに、これまでの教育で得てきた経験が「こんなことをするのは間違っている」と叫んでいる。倫理観が唸っている、もしくはもうお腹いっぱいで辛いだけもしれません。辛い……僕はなぜこんなことをしているのでしょうか?
ファミチキは、71点です……。

甘さは罪

色々な食べ物をチョコまみれにしてわかったこと。それは、チョコは甘い、ということ。
そういえばカントリーマアムのチョコまみれは、通常のカントリーマアムよりもひと回り小さく、一口で食べれるサイズになっている。
そうすることでしつこさを感じないよう工夫されているし、長時間持つこともないのでチョコが手につく不快感も少ない。
不二家の開発担当は決して怠慢によりヤケクソになってチョコまみれにしたわけではない。
計算と工夫を重ねて大ヒットすることになった「チョコまみれ」は誕生したのだ。

短絡的だったのは僕だ。
ただチョコにまみれただけでは、本当の自由にはならない。
自由と暴力が紙一重なのと同じように、チョコまみれとチョコまみられでは雲泥の差がある。

チョコレートはほどほどにまみれるぐらいがちょうどいい。
人生と一緒で、甘いだけでは深みは出ないのです。僕は今回の愚かな体験を持って、強くそのことを感じました。
恥と責任を持って、このために用意したチョコまみれにしたいお菓子、全部ちゃんと美味しく食べきります。うわ〜〜〜

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