休みを迎えた。休みは最高だ。だって仕事をしなくてもいい。それだけでストレスが0だ。
何も不安なことも、不愉快なことも、不都合なこともない。素晴らしい。
結局俺は労働に向いている人間ではないのだ。仕事なんてやりたい人がやりたいことをすればいい。
子どものころに抱いた将来の夢が、そのまま大人の日常になればいい。そう思ってゆっくり天井を見ていたらもう夜更けになってしまった。あれれ、もういくつ寝ると月曜日?ああ、無情すぎる。
朝起床して、久々に米とベーコンと目玉焼きを食べた。昨夜観たハウルの影響だ。きっと今朝は全国で、似たようなメニューが食卓に並んだことだろう。それだけで少し愉快だった。
満腹の腹をさすりながら昼上映の映画の予約をして外出。近所のミニシアターで『テスラ エジソンが恐れた天才』を鑑賞・・・しようと思ったのだが、予約したチケットを発券しようと思ったら機械がエラーを出していてできない。
よくよくiPhoneをみると、予約したチケットの指定日が明日になっていた。ついていないし、アホである。このアホはつい数秒前、QRを発券機にかざするまで「ああ、今日はなんてスムーズに生きているんだ」とうっとりしていたのだ。
誰かから冷や水を浴びせられたかのような気持ちになり、苦虫を噛み締めながら目の前の発券機でチケットを買い直した。
「これから観る映画に最初から3800円出したと思えばいい。きっとそれだけ価値がある映画だ」と自分を言い聞かせ、上映に望む。
しかし投影が始まったすぐに、近くの席へマスクもしていないおばさんが襲来。水筒を何度も何度も開けては閉めてを繰り返し、その度に狭い劇場に金属音が響く。加えて1つ上の階で買ったであろうパンをビニールに入れたままガサガサと食べ始めた。
俺は何もいえず、ただ視界に入れないよう、物語に集中しようと努めたが、その物語が本当につまらない!ただの伝記物(これは電気ものとかけています)だったらいいのに、現代目線と過去回想を行ったり来たりしてややこしく、ユーモアを入れるのはいいが、伝記物にあるまじき「これがこうだったらいいですね」的な回想を入れたりと、最悪な構成をしていた。人の生涯を見せる伝記物で百歩譲って脚色はしてもいいが、後世の赤の他人が演出をしてどうする!
あまりに最悪な状況だったのでもう劇場から出てしまおうかとも思ったが、脳裏に「3800円も払っているのに最後まで観ないの!?」と言ってくる自分がいる。俺だってそう思うが、心はこの場からとにかく立ち去りたい旨を訴えているのだ。
そんな二律背反を抱えながら結局エンドロールまで鑑賞を終え、劇場を出た時にはすでに昼過ぎ。
時は金なりなどという金言があるが、時も金も失った場合はどうフォローしてくれる?
怒りと悲しみを抱えたまま買い物をして帰宅。結局Amazonプライムで『マネーショート』を観直して気分を晴らした。
仕事のことを考えていたら天命が降りてきたようにやりたいことが見えてきた。忘れないように何度も反芻する。この金脈を自分なりに掘り下げて、必ず幸せになりたい。
まずは明日、日曜日を誰よりも満喫することを、ここで誓う。
4/3_土曜日までは死者
