俺には4人の幼馴染がいる。
彼らがいるから自分は孤独じゃないと感じる夜があったりなかったりしていて、でもそれを一生彼らに伝えることはない。
中でも馴染みが深い1人が今日、長年の夢を叶えた。
朝ツイッターをボーッと眺めていて今日が合格発表ということを知って、万が一のことがない限り大丈夫だろうから結果を聞かなくても良いやと思っていたけど、結局気になって聞いてしまった。
もし彼が傷ついていたらせいぜい笑ってやろうという打算と気付いてやれるのは俺ぐらいだという傲慢さからくる行動。
まあなんのこともなく、用意していたようなキザな言葉で楽々報告を果たしてきたから、悔しさよりも嬉しさが勝った。
常日頃、「俺以外の全員が俺より少しだけ不幸せになれば相対的に俺は幸せになる」と心底思ってる俺の善意を感じることができて何だか嬉しかった。心、死んでなかった。
駆け上がる彼を端に見ながら、俺はゆっくりと停滞をしている。気合いをもらうなんてそんなことはなくただ端目に彼を見ながら、俺は俺らしく過ごせると今なら思えるのだ。