3/11_乱心

 冷静になって恥ずかしい言葉を書いてしまっていることが多々ある。
おそらく今書いているこれも後々読むと顔から熱いものが吹き出る。
自分に対して羞恥心を覚えなくなるのはいつ頃なのだろうか。恐ろしい。

 ある朝目が覚めたら虫になっていたという小説があるが、俺の場合はある朝起きたら顎関節症になっていた。
虫になるのも辛いと思うが、顎に激痛が走るのも辛い。何より飯が食えない。
このコロナ禍において唯一と言ってもいい楽しみである食事が完全に苦痛と化した。
なぜこんな仕打ちを、と思うが、早々に俺が連日めちゃくちゃな寝相で寝ていたことが起因している思い至り、苦虫を噛むように朝食をとる毎日が続いている。

 仕事。なぜだか面倒なことが続いているので、いっそ辞めてしまおうかと思った。
若いし、そこそこPCは使えるし。と余裕をこいていたが、世間はコロナやらなんやらで思いの外ダメージを受けていたらしくようやく俺にもその余波がきた。次職が決まらないのだ。
そうか、と平静を装っているが少しだけ傷付いている。
極寒の地で春が来るのを今か今かと待ちながらせせこましく働いている。

 最近なぜか昔のことをよく思い出す。震災から10年という言葉をよくテレビで観るからかもしれないが、ちょうどその頃の思い出がふと頭に過ぎる。
高校の頃は「青春」に憧れて(そういうのは憧れるものではないが)友達の家でオールでホラー映画を観たり(確か『予言』『感染』だった)、ミスドで6時間くらいだべっていたり、近所のカラオケ屋のフリータイムに入るために朝から並んでPSPやっていたり、そんな記憶。歳を取ったのか「あの頃は楽しかった」などと言いそうになっていやいや地獄のような高校時代だっただろと美化しないように嗜める。

今もそれなりにしんどくて、多分しばらく辛いのだろうけど少し経って「あの頃はよかった」とか言わないようにこの苦しみを噛み締めていく(今は顎が痛いから噛めないけど)。

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