とにかくお金が好きな人生だった。
小学生時代、お小遣い制ではなく手伝いごとにお駄賃をもらうシステムで、親の許容を超えたお駄賃を請求して実の父親を破産させかけたことがある。
それだけでは飽き足らず、近所中の自動販売機の下を覗き見て、小銭を集めることを何よりの楽しみとした放課後を過ごしていた。
今のようにキャッシュレスなんて言葉はなかった時代だったから、タバコの自販機の下とか高確率で500円玉が落ちていんだよなあ。
それを回収してから駄菓子屋に行くことを「ファイトする」と呼んで、通っぽく振る舞っていた暗い記憶がうっすらある。全くカッコよくないぞ、それ。
また悪い意味でお金を稼ぐ苦労を知っていたので、とにかくケチだった。
親が借りてきたドラゴンボールの映画「ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない」のVHSを友人を招いて鑑賞会をしたのち、「うちで借りたビデオなんだから鑑賞代を払って欲しい」と請求して、最終的に「もうお前帰れよ!」と怒鳴るくらいの喧嘩になった。最悪すぎる。
そんな育ちをしたこともあり、とにかくお金が好きなんだ。
お金が好きだけど、それ以上にお金を使うことが好きだ。
だからずっとお金がない。お金が好きなのにお金がない。今は大人になってしまって、自販機を覗くなんてこともできないからただただ苦しんで働くしかない。
その点、小学生時代の方が裕福だったといえるかもしれない。
こんな悲しい姿を子ども時代の俺が知ったらなんというだろうか。
小学生時代といえば、その頃大ハマりしていたデジモンテイマーズのデジヴァイスが復刻して販売されるらしい。
デジモンテイマーズ SuperCompleteSelectionAnimationディーアークver.松田啓人 | デジモンアドベンチャーシリーズ 趣味・コレクション | バンダイナムコグループ公式通販サイト
すでに15周年の時に一度販売しているが、ブランドを新たにして再販される。
商売が小狡くて仕方ないが、ターゲットど真ん中なので欲しくてたまらない。カードスラッシュとか全力でしたい。
実はすでに初代デジモンアドベンチャーの復刻デジヴァイスは大学の時に買っている。買っているし使っていない。
絶対に同じ目になるはずなのに、飾る場所とかもないのに、欲しくて仕方がない。
買おうと思えば買えるのだけど、プレミアムバンダイの社員は全員悪鬼なので、絶対また別の形で販売する。
そもそもテイマーズのデジヴァイスはもう一種類、金色のアルティメットバージョンがあるのだ。
今回のラインにそれが入っていないことが怪しすぎる。
わざわざ新ブランドまで立ち上げているのに、この3つで済ますはずがないのだ。
とはいえ、これで今回は見送ってアルティメットが出なかった時!俺はとんでもなく後悔するだろう。そしてメルカリで買ってしまう。
その末路だけは避けたい。でも踏ん切りがつかない。誰かプレミアムバンダイに潜入して計画書を盗み出してきてくれ。
改めていうが、子ども時代の俺が今の姿を見たらなんというだろうか。
俺だったら全力で拒否だ。こんな未来受け入れてなるものか。