2/2_失落園

朝起きたらベランダに謎の小袋が落ちていた。
拾いに出ると、開封済みのお菓子(せんべい)と共に「隣のものです。うちの屋上にお菓子を投げ入れるのはやめてください」と手紙が添えられていた。
全く身に覚えのない罪を断罪されている。シンプルに気分が悪い。

隣の家を振り返って見ると、おばあちゃんが部屋に戻っていくのが見えた。
「あの〜すみません、これって……」と声をかけると、
「あ〜困るんですよね〜あなたしかいないでしょう?(要約)」と言ってくる。
どうやら俺は挨拶もしたことがない隣人のベランダにお菓子を投げ入れる人間と思われているらしい。
冤罪よりも確定しているそのイメージが悲しい。

必死に弁明をしたが、そもそもどうしてそんなものが入ってきたのかわからないので、いまいちお互い腑に落ちない。
最終的に「ごめんなさいね〜」とは言っていたが、その前に「前お住みだった方は本当に良い方でね〜」と嫌味を言われたので、この時点で今日が悪い日であることが確定した。
当然そこから挽回するほどのいいことは無く。全てに対して絶望している。

仕事が再開して2日経って、労働がいかに辛いことか思い出しつつある。
そうだ、そうだった。仕事は辛いのだった。
起床してHPが100からスタートするとして、労働によってそのゲージはみるみる減っていく。
そのゲージを日々のどこかで回復しないと、あっという間に気分が病んでしまうのだ。
散々それで痛い目に遭ってきたのに、1ヶ月くらいの休みですっかり忘れてしまっていた。
このどうしようもない毎日でHPを回復できるようなシステム、アイテム、出来事を自分で起こさないと大人は戦えない。
新卒の時はそれを食事で賄おうとして激太りして、前職の時は飲酒で賄おうとして粗相をしまくったのだ。
勉強はしているが前進はしていない。今回は一体どうすればいいのだろうか。

パッと思いつくのは散財かな。もう老後とかどうでもいいので、破滅してしまおうかな。
2日経って、かなり疲弊しているので早いところ何とかしないと貯金がなくなる。
明日起きたら仙人とかが道を示してくれないだろうか。決して隣人の変な婆さんに謂れのない罪を問われることだけはやめてくれ。

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