野菜が嫌いだから、ギリギリ食べれる大根おろしを念入りに食べている。
そのためにおろし金を多用しているのだが、今日俺の指(正確には親指の第一関節)をすり下ろしてしまった。
俺の指は大根だったらしい。傷ついた。
今日はとてもやることがない、最高の1日だった。何をしてもいいし、しなくてもいい。
その天命に則って、ほとんど何もしなかった。食べて寝て、食べて寝た。
あと酒でもあったらもう召されてしまうが、禁酒中なのでぐっと堪えて延命できた。
夜の8時には風呂に入って、あとはぼんやりAmazonプライムを観る。
初めて『海街diary』を観た。
美人がとっかえひっかえ画面に映って、キャッキャウフフしている。主にそういった映画。最っっっっっっ高だった。
もうほとんど夢だった。人生のゴールであり楽園。そんな映像がただただ2時間。
これは劇場で観るべき映画だった。その点だけ悔しい。
そんな心地よい産湯みたいな映画を観ながら、コージーコーナーで買った限定の紗々ミルクレープを食べる。
夜遅くにケーキを食べるだけで気持ちがいい。人生の上澄みを形にしたような食べ物だ。甘いし美味い。
手をすり下ろしても、やることがなくて退屈でも、美人を観ながらケーキが食べれるならそれでいい気がしてきた。
こうやって少しずつ諦めと妥協を重ねて歳を取っていく。もう少し華麗な大人になりたかった。まだ間に合うなら、坂本龍一になりたい。